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Vol.1 日本でのIFRS(国際財務報告基準)の展望 (2015年3月28日)

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ビズサプリの三木です。 今春から弊社よりメールマガジンを発行することにいたしました。

忙しい皆様に、短時間で、少しでも役に立つ情報を発信して参りたいとおもい ますので、どうぞよろしくお願いします。

1回目は、日本でのIFRS(国際財務報告基準)の展望を考えてみます。なお、文中の意見は筆者個人の私見であることを予めご了承ください。

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■ 1.最近のIFRSは脱原則主義!?

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IFRSの特徴として、「原則主義」が良く挙げられます。 多くの国が使う会計基準なので、各国の取引慣行や税法に配慮した細則は作り切れません。だからIFRSでは基本的な考え方だけを示し、実務適用は現場に任せようという 発想です。

これとよく対比されるのが米国基準です。 米国は訴訟の多いお国柄でもあり、曖昧なルールはトラブルにつながります。 このため、細かな細則を張り巡らせた膨大な会計基準体系を作ってきました。

ところで、2014年に発行されたIFRS15号「顧客との契約から生じる収益」は、 改訂前のIAS18号に比べて数倍の分量があります。 内容も細かいルールが決められており、IFRSは原則主義だと単純に言い切れな い時代になってきたと感じます。

これは米国との共同プロジェクトで基準作りを進めているのが大きな理由です。 IFRSを広げていくには、経済大国である米国との歩調合わせが大切です。 このため、原則主義らしからぬ分厚い基準が出てくる傾向は当面続きそうです。 現在、リースの会計基準も共同で見直しを行っていますが、これも細則を盛り 込んだ内容になると思います。

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■ 2.強制適用はあるのか?

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2015年3月の日本経済新聞の報道では、IFRSを任意適用する会社の数は100社を 超えるとされています。公式にIFRS適用を表明している会社が60社以上ありま すので、私の感覚でも、年内100社は現実的な社数と思います。

では、上場している(あるいは上場を目指す)会社にとって次に気になるのは 強制適用の有無です。これは予想が外れたら大変申し訳ないのですが、私の感覚では当面は強制適用 は無いかなと思っています。

強制適用が当面は無いと予想する根拠は2つあります。

1つは任意適用している企業の偏りです。

現状では総合商社、総合電機、製薬業が目立ちます。誤解を恐れずに言えば、のれんの非償却や海外子会社の会計基準の統一など、 自社にメリットのある会社がつまみ食い的にIFRSを適用しているのです。IFRSが幅広く支持された結果とまでは言い切れません。

もう1つは日本版IFRS(JMIS)の存在です。

日本版IFRSは、純粋なIFRSとして認められていないとか、会計基準を乱立させ すぎ等の批判が多く聞かれますが、日本としての意見発信も大きな目的とされ ています。日本としての意見発信をしておきながらIFRSを強制適用するのは方針が矛盾し ます。このため、少なくとも当面はIFRSの強制適用には踏み切らないと予想します。

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■ 3.今後気をつけるべきことは?

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IFRSの任意適用を考えていなければ、当面は日本基準自体の変化のほうに注意 すべきと思います。包括利益、退職給付会計、合併などの企業結合会計など、最近の日本基準の改 訂はIFRSとの整合性を強く意識したものばかりです。

収益認識やリースの基準も、遠からずIFRSを追いかける可能性が髙いです。 特に収益は、業績評価や社内のシステムなどに影響する可能性があります。 経理に関わっている場合は、IFRSは他人事と断じるのではなく、大きな方向性 くらいは把握しておいたほうが良いと思います。

ビズサプリではIFRSの導入コンサルティングも手掛けています。お気軽にご連 絡下さい。 本日も【ビズサプリ通信】をお読みいただき、ありがとうございました。

 

カテゴリー
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執筆者
辻 さちえ
三木 孝則
庄村 裕​
花房 幸範​
久保 惠一​​
泉 光一郎

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