Vol.69 経理の業務 (2018年2月7日)
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【ビズサプリ通信】
▼ 経理の業務
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はじめまして。 この1月より新たにビズサプリに入りました泉です。 ビズサプリは2010年10月に設立され、8年目でありメンバーには諸先輩方が多い中、一番の若手(とはいっても40前ですが…)としてがんばっていきたいと思います。どうぞこれからよろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をしますと、監査法人の勤務後に一般事業会社の経理部で勤務し、その後コンサルティング会社にてIPO支援やJSOX支援のほか、経理業務のコンサルティングをしてきました。 今回は、みなさん知っているようであまり知らないのではないかと思う経理の業務についてお話したいと思います。
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■ 1.経理のイメージ
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経理マンの典型的なイメージといえば、腕まくりをし「アームカバー」「腕抜き」といったものをつけ眼鏡をかけて、ちょっと人とコミュニケーションをとるのが苦手な感じでずっと数字をいじっている人というものではないでしょうか?(ちょっと古いですかね。)
ただ、私が監査法人にはいった2000年代前半では、すでに一般的に個人別PCが普及し、会計システムやExcelによる作業がほとんどでありこういったペンやインクでの作業はなくなっていたため、実際はこういった人は稀でした。ただ、確かにちょっとお年を召した方はそういったような様子も伺える時期でした。
「経理」という言葉を辞書で調べると、会計・給与に関する事務といった意味のほかに治めととのえることといった意味も記載されており、人によっては「経営管理」の略だという人もいます。つまり、単純に伝票を集めてきて集計する、支払いを行う、金庫番をするといった業務だけでなく、本来は全社の数字に関わる情報すべて集め、整え、会社が健全に成長できるようにすることが経理の業務であると考えられます。
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■ 2.経理に求められる役割
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では、実際に社内における経理に求められる役割とはどういったものなのでしょうか?
従来、経理・財務部門の主な業務は、決算を締めて実績数字をいかに正確に “作る“か、資金繰りを間違わずきちんとするかかということでした。そのため、経理部員はいわゆる簿記・会計知識(理論)等の専門知識をもっていかにルーティンワークを正確に実施するか、ということが重要視されていました。
それ自体は今でも十分重要な業務ではありますが、変化の激しい現在の経営環境下では、経理・財務部門に期待される役割が変わってきており、従来のまま経理実務のプロフェッショナルとしては通用しない状況となっています。具体的には経理・財務部門にはその作った数字に対して分析、経理情報等に潜んでいる経営上の問題点の把握、さらにマネジメントが経営判断を実施する際に有用な情報を提供することがより重要となってきています。
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■ 3.経理の具体的な業務内容
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経理・財務部門の業務は大きく次の3つに分けられます。
〇財務会計(制度会計)
金融商品取引法、会社法、税法といった制度に則り、株主や債権者などに会社の財政状態や経営成績を適切に報告する業務
〇管理会計
経営層や中間管理職が事業上の意思決定をサポートできるようにするために、中期経営計画の策定、予実分析や各種KPI資料などを作成、分析、報告、提案する業務
〇資金管理
各種計画に基づいた必要な資金を調達、運用するとともに、現金出納や支払などの日々の資金管理を行っていく業務
この3つの業務のうち、上で述べたように、会社の意思決定への情報提供等が期待されるということは業務における管理会計の比重が重くなってきているということになります。特に上場企業では、一般的に経理と財務の分離の観点から資金管理は財務部となっていることも多いかと思います。なお、昨今の東芝の例をみていると、会社の外からはブレーキ役としての 機能も期待されているのかもしれません。
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■ 4.経理は忙しいのか
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「経理の人はいつも忙しい」というイメージがあるかと思いますが、実際に、経理の人は忙しいのでしょうか?
一般的な上場企業の経理部は、毎月次の業務を行っています。
月次決算:7日前後で単体決算、10日前後で連結決算
取締役会対応:第2、3週に開催される取締役会への月次報告資料(予実分析、損益分析など) 入出金業務:現金出納、債権の入金消込、月次の支払業務
税務業務:源泉所得税、特別徴収住民税、消費税の中間納付
さらに上場企業の場合は金融商品取引法に基づく四半期ごとの法定開示業務として、(四半期)決算短信、(四半期)有価証券報告書の作成、JSOX対応、監査法人の対応を行います。
会社法に対応する年度決算業務として計算書類等の作成、(場合によって)株主総会の準備や実施。税務業務として、1月の償却資産税申告、法定調書作成、支払調書の作成、年度末決算に基づく、法人税、住民税および事業税、消費税の申告を行います。
一口に支払業務といっても、実際は現場からの支払申請に基づき請求書等のエビデンスと照合したうえで支払データを作成し、何人もの確認をへてから送金されますので意外と手がかかります。(お金が動く以上、当然といえば当然ですが…。)
また、ひと昔前は四半期決算もJSOXもなく、その前は連結もない時代でしたが、1990年代後半以降は会計基準の制定が急激に進み、また、税務も外形標準課税や組織再編税制といったものにより経理部門の高度化、複雑化が進んでいます。この上に従来からある管理会計としての中期経営計画や予算策定といった業務に加え、さらに管理会計の比重が重くなるということはかなり大変だということがご理解を頂けると思います。
最近、経理部門の人材が不足しているようでなかなか人の採用ができないという話はよくききますし、「いい人いないですか」ということもよく言われ ます。ビズサプリグループでは、経理財務人材の人材紹介業務、財務経理業務の 改善コンサルティングやアウトソーシングも行っておりますので、何か ありましたらご相談ください。 https://biz-suppli.com/menu.html?id=menu-consult
本日も【ビズサプリ通信】をお読みいただき、ありがとうございました。