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Vol.18 不祥事の多かった2015年と日本人の活躍 (2015年12月28日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.018━2015.12.28━

【ビズサプリ通信】 ▼ 今年1年を振り返って

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こんにちは。ビズサプリの花房です。

本日が仕事納めの方も多いのではないかと思います。今年1年を振り返ると、直近ではフランスでの同時多発テロを始め、ニュースの多い1年だったように思います。今年の10大ニュース、ではないですが、私の主観で勝手に今年1年を 振り返りたいと思います。なお、文中の意見は筆者個人の私見であることを予めご了承ください。

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■ 1.ISの台頭と多発するテロ

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今年は、イスラム過激派組織(IS)に関するニュースの多い年でありました。1月にフランスで風刺週刊誌「シャルリー・エブド」の本社が襲撃されて12人が犠牲となったのを皮切りに、イスラム国による日本人2名の拘束・殺害されるという、日本人にとって心痛む事件が起こりました。

その後もエジプトやトルコ等、各国でISに絡むテロ事件が多発しました。そして世界に最も衝撃を与えたのが、11月にフランスの劇場や競技場を狙って起こった同時多発テロでした。これについてはフランスのオランド大統領も「フランスはイスラム国と戦争状態にある」と宣言したほど、ISの脅威が大きいことを印象づけられました。

日本は世界一安全な国と言われるほど、日常暮らしていて、危険を感じることはありません。また日本は戦争をしないことを憲法で宣言している平和主義の国ですが、他国からの攻撃を自己防衛する必要はあり、9月には安全保障関連法案が成立しました。

今年は戦後70年という節目の年でもあり、日本が平和な国であることへの感謝や 一方で多発するテロ、戦争への非難、また日本人が今後ますますグローバルに活動していく上において、テロ等の事件に巻き込まれないようにどうすべきか等、考えさせることが多い年でした。

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■ 2.不祥事の多かった2015年

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今年は様々な偽装や不正といった不祥事の発覚が世間を賑わしました。1月にはマクドナルドのチキンナゲットに異物混入があったことが報じられ、昨年の消費期限切れ問題に輪をかけて業績は悪化し、店舗閉鎖も相次いでいます。12月にはついに米国マクドナルドが保有する日本マクドナルド㈱の一部売却を検討していることが報じられました。

また東京オリンピックに関しては、新国立競技場とエンブレムの2つの問題が起きました。新国立競技場については7月に、当初1,300億円の予算でスタートしたのが2,520億円に膨らんだと発表したことが波紋を呼び、当初案を撤回する事態となり、今週何とか工期が間に合う前提で、新しい計画が了承されました。一方のエンブレムについては今年7月に公表された直後に、ベルギーの劇場ロゴに似ているとの騒ぎとなり、結局世論に押される形で、9月にこちらも撤回されることとなり、現在新デザインの選定が来春に向け進行中です。これらは、意思決定プロセスと責任の所在の明確化が重要であると感じさせる事件だったと思います。

5月には東芝で不適切会計が発覚し、その後の調査を経て決算修正は2,248億円(税引前損益ベースの累計)という規模に上り、経営トップのコンプライアンス欠如が浮き彫りとなりました。結果歴代3社長を含む経営陣の刷新、過去最高額となる74億円の課徴金の負担、テレビやパソコン、半導体での大幅なリストラを余儀なくされています。健全な企業として、トップのコンプライアンス意識が極めて重要であることを再認識した事件でした。

コンプライアンスで言えば、東洋ゴムは3月に建築用の免震ゴムで性能評価の不正が行われていた事実が公表され、その後10月にも今度は一般産業用の防振ゴムでも虚偽の検査結果を記入するという不正が発覚し、やはり社内的にコンプライアンス意識の低かったことを露呈しています。

そして10月に発覚した旭化成建材による、建物の杭データ偽装の問題がありました。我々個人の身を守る建物という、重要で身近な問題であったことから話題性も大きく報じられ、11月の親会社である旭化成の報告では、調査対象物件の1割以上がデータを流用していたということで、事態が常態化していたことが明らかになりました。

海外に目を向けると、9月にフォルクスワーゲンにおいて、過去ディーゼル車の排ガス規制を回避するために、不正なソフトウェアを搭載していたことが問題化し、ヨーロッパでは環境にいいと思われていたディーゼル車離れが進むので はないかと懸念されています。

このように、今年は日本においては6月よりコーポレート・ガバナンス・コードが 適用され、コーポレートガバナンス元年となる年ですが、相次ぐ不正は、企業に対してより強固なガバナンス、コンプライアンス強化を求めるものとなりました。

個人的にはコーポレートガバナンスにしろ、コンプライアンスにしろ、最も重要なのは企業風土、特に経営トップの意識の高さだと思います。部下は上司を見ていますから、上司がいい加減だと部下もそれに従う、ということです。内部統制の限界でも言われますが、いくら内部統制をきちんと構築・運用しようとしても、経営者が本気で不正をしようと思えばできてしまう訳ですから、経営者の意識レベルの高さというのは上場企業の経営者において特に求められる資質だと思い ます。

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■ 3.日本人の活躍

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暗い話題ばかりでは来年に繋がらないので、明るい話題もいたします。特に日本における話としては、3月に北陸新幹線が営業をスタートしました。東京から金沢まで2時間半で繋がり、北陸地域の活性化が期待されます。私はまだ乗る機会がないですが、来年は是非使うことがあればと思います。

スポーツでは9月のラグビーワールドカップにおいて、日本は3勝を挙げるという今までにない歴史的快挙を成し遂げた他、10月の体操世界選手権の男子団体で、37年ぶりとなる金メダルを獲得しました。この時の活躍と独特のポーズで人気となった五郎丸選手は一躍時の人となりました。

また10月に発表されたノーベル賞では、寄生虫やマラリア研究の功績が認められた大村智氏に生理学・医学賞、素粒子ニュートリノに質量があることを初めて発見した梶田隆章氏にノーベル物理学賞が授与され、日本人の研究レベルの高さを世に示しました。

航空・宇宙産業で言えば、国産初のジェット機MRJが11月に初飛行を成功させ、2018年からの納入を目指しています。またホンダは小型のビジネスジェット機であるホンダジェットの型式証明を今月取得し、12月24日より引渡を始めたということで、今までは部品レベルでは世界の航空機市場に貢献してきましたが、今後は飛行機本体の提供ということで、日本企業の存在感が高まりそうです。また宇宙ロケットの開発競争も世界中で加速していますが、国産ロケットの改良型H2Aロケットが11月に初めて商業衛星の打ち上げに成功したことで、低価格化が進むロケットの商業打ち上げ市場への参入が期待されています。

成功は一朝一夕で出来るものではありません。普段のたゆまぬ努力があってこそ、いつか花開くものと信じています。いつも忘れがちですが、何かを始める時には強い想いがあって始めているはずなのですが、普段の忙しさや惰性の中で、いつの間にかその思いが薄くなったり忘れてしまったりしているものです(少なくとも私はですが)。年初に抱負としたことが、果たしていくつ実践できたかと思うと、恥ずかしい限りですが、ほとんどないかもしれません。。年末年始は1年を振り返るいいタイミングですので、皆さんもゆっくりと体を休めながら、この1年の反省と来年の新たな抱負をじっくりと考えて頂ければと思います。

なお、ビズサプリではIPOのための資料作成やアドバイス業務の他、決算早期化や決算精度向上などの業務改善、内部統制の構築・運用支援等、幅広くコンサルティングを手掛けています。お気軽にご連絡下さい。

本年も【ビズサプリ通信】をお読み頂き、有難うございました。 風邪を引きやすい季節になってまいりました。皆様どうぞ、年末年始お元気で お過ごし下さい。来年1年が皆様に取りましてより良い年となるよう願いまして、 今年最後のビズサプリ通信を締めくくりたいと思います。 それでは来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

カテゴリー
会計
内部統制
ガバナンス
不正
IT
その他
執筆者
辻 さちえ
三木 孝則
庄村 裕​
花房 幸範​
久保 惠一​​
泉 光一郎

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